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夕雲の独白

私はいつの間にか雲とと云う名で
ぽつくりと大空に浮んでいた
どうしていつからこゝに浮かんでいるのか私は知らない
今夕陽に照らされて真紅に燃えている私の体は
私と云うひとりのものではなく
実は私たちと云う複数

果てしもない空虚に一群れ一群れ浮かんでいる私たち
私たちは陽に酔いながら
地上界を見降してみる
かつては種々な形で私たちも住まつていた地上界の様々な生物の営みが
私たちの心に浮んでくる
やがて暮れようとする地上界の街々の
あわたゞしい動きの中に
私たちは人間たちの生活(たつき)の息吹きを感じ
生きのいのちの愛(いと)しさいじらしさに
祝福の言葉を送りたくなる

悪に染みても汚れても
生くるだけは生きねばならぬ哀しき肉の身
かつての私たちが
一粒一粒の雨滴となつて天降(あまくだ)り
寄り集つて濁流と化し
家々を壊ち人々を傷つけ損ねたことが思われる
天地の因果と人間の因果



これは果して善か悪か
単なる自然の営みの一駒か
私たちは只大自然のすべてが慈愛によつて運行されていることを信じている

私たちは地上界をみつめつヾける
地上の家々に灯がともり
私たちの姿がすつかり黒ずんできたのだが
私たちは地上の人たちとつながりをなつかしみ
私たちも人類も
今日までの輪廻転生を越えて
青天白日の身になるのには
神時間と云う時間経過を経なければならないのだと
いつまでも地上界を見降ろしつゞけていたのであつた

(詩集『いのり』 白光出版 五井昌久著)


世界人類が平和でありますように
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