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寒椿の花

人の世の憂さ苦しさを我に託して
人々が帰えり去った後の
凍みつくような厳冬の庭に
そこだけがぱっと華やぎ
寒椿の紅(くれない)の花三つ四つ五つ
くれなずまんとする自然の
ひとときの美しさを一つに集めて
我の心に話しかくる

花は美の天使
人は神の分生命(わけいのち)

花はそのまま自己の使命を生かし
人は神の生命を穢(けが)して久し
花のいのちに恥じず生くる人幾許(いくばく)
天の光と地の慈愛に育(はぐ)くみそだちいて
この世に何らの徳も残さず魂(たま)磨きすらおろそかに
去りゆく人の多きこと
嘆き給うは神のみならず
万物ひとえに嘆くなり

大自然の心花にうつり
花の心我に訴うる
我は花の心に融け合いて
人類の業(カルマ)消滅の祈りを捧ぐる

世界人類が平和でありますように
すべての天命が完うされますように

この時大光明聖ヶ丘をつつみ
寒風膚に快し
寒椿の妖精微笑して立つ
(1970年2月「白光」五井昌久著)
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